「靴作りは「効率」だけでは身につかない話」
靴作りを最短で、少ない労力で、効率よく覚えたい。
「作り方」を学べば、作れるようになる。
そう考える人は少なくありません。
しかし、靴職人を目指すのであれば、
効率だけを目的にした学び方では十分とはいえません。
まず理解しておくべきことがあります。
作り方を覚えるのは、技術を覚えるためです。
そして技術を身につけたうえで、
使う人の悩みや問題を理解し、解決できるよう寄り添うことを学ぶ。
そこまで含めて、靴作りの習得です。
作り方を覚えただけでは、技術を覚えたことにはなりません。
また、技術を覚えただけでも、
履く人の問題を解決できるとは限りません。
目指すべきは、
履く人の状態や目的を理解し、
それに応えられる靴を作れるようになることです。
靴は作品ではなく、日常で使われる「道具」です。
見た目が整っているだけでは成立しません。
安全に履けるか、長く使えるか、
生活の中で役に立つかどうかが重要です。
作り方は、誰でも覚えることができます。
しかし作り方だけでは、
実際に使える靴を安定して作ることはできません。
本当に身につけるべきものは、
安全性、強度、履き心地、耐久性といった
社会で通用する水準の技術です。
作り方は、その技術を習得するための入口にすぎません。
効率だけを追うのではなく、
精度と理解を積み重ねていくこと。
それが、靴職人としての基礎になります。


